屋守(おくのかみ)の選び方|純米と純米吟醸の違い(精米歩合・味わい・合う料理)
屋守(おくのかみ)の定番には「純米」と「純米吟醸」があります。どちらも同じ蔵で、主に同じ酒米「八反錦」から造られますが、お米の磨き方が違うため、香りや口当たりが変わります。
この記事では、屋守を扱う神田の販売店 豊島屋Rita-Shopが、純米と純米吟醸の違いを「精米歩合」「味わい」「合う料理」の3つから整理します。屋守の選び方の全体像は「屋守(おくのかみ)の選び方とおすすめ」をご覧ください。
純米と純米吟醸の違いとは
どちらも、原料は米・米麹・水だけで、醸造アルコールを加えていない日本酒です。そのなかで、精米歩合60%以下までお米を磨き、「吟醸造り」と呼ばれる丁寧な造り方をしたものが純米吟醸です。
少しだけ補足すると、法律で決められた「特定名称酒」の区分では、精米歩合60%以下で吟醸造りをしたものが「吟醸酒」、50%以下まで磨いて吟醸造りをしたものが「大吟醸酒」です。米・米麹・水だけで造ったものは、頭に「純米」が付いて「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」になります。
| 屋守 純米 | 屋守 純米吟醸 | |
|---|---|---|
| 原料米 | 八反錦 | 八反錦(雄町を使ったものもあり) |
| 精米歩合 | 55% | 50% |
| アルコール度数 | 16% | 16% |
| 酵母 | 協会1601号 | M-310(八反錦) |
| 香り | 穏やか | 華やか |
| 味わい | 甘みとコクがしっかり | 透明感があり、キレがよい |
| 税込価格(火入れ720ml) | 2,013円〜2,090円 | 2,354円〜2,574円 |
精米歩合とは?
精米歩合は、玄米をどれだけ残したかを示す割合です。精米歩合50%なら、お米の外側を50%削り、中心の50%を使っています。お米の外側には雑味のもとになる成分が多く、磨くほど香りが華やかで、すっきりとした味わいになりやすいとされます。
純米酒には精米歩合の決まりがありませんが、屋守は純米でも55%まで磨いています。
屋守が「純米大吟醸」を名乗らない理由
屋守の純米吟醸は精米歩合50%。特定名称酒の決まりでいえば「純米大吟醸」を名乗ることができますが、あえて「純米吟醸」としています。理由は2つあります。
1つめは、「吟醸」という言葉の使い方です。屋守では「吟醸」を、純米と比べたときのすっきりとした飲み口やキレのよさを表す言葉として使っています。先ほどご紹介した特定名称の「吟醸」とは切り離して考えてみてください。
じつは精米歩合55%の屋守 純米も、数字のうえでは純米吟醸の基準(60%以下)を満たしています。それでも「純米」としているのは、「吟醸」をお米の磨き具合ではなく、飲み口の違いを表す言葉として使っているからです。
2つめは、「大吟醸」という言葉へのリスペクトです。大吟醸は、時間と手間をかけた、蔵の最上級のお酒に付けられることの多い名前です。屋守も、最高のお酒を目指す蔵人の思いが詰まったお酒です。それでも、さらに良いものを目指し続けるひたむきさと、酒造りに対する謙虚な姿勢から、大吟醸というスペックから一歩引いた名前を選んでいます。
お酒の名前ひとつを取っても、そこには蔵人の思いや、お酒への向き合い方が表れています。
純米と純米吟醸は酵母も違う
屋守の純米と純米吟醸は、お米の磨き方だけでなく、使っている酵母も違います。純米は「協会1601号」、八反錦の純米吟醸は「M-310」です。
- 協会1601号…協会16号の泡なし酵母。リンゴのような吟醸香(カプロン酸エチル)を比較的多く生み、酸は穏やかなタイプです。
- M-310…明利酒類が開発した、小川酵母(協会10号)の系統の酵母。華やかな香り(カプロン酸エチル)を多く生む性質があり、香りの華やかな吟醸酒によく使われます。
屋守の純米はどんな味わい?
屋守の純米は、お米の甘みとコクをしっかり感じられる、料理に寄り添う食中酒です。燗にすると旨みが伸びるのも、純米ならではの楽しみ方です。
屋守の純米には、搾り方や寝かせ方の違う商品がいくつかあります。ここでは、そのなかから例として3つをご紹介します(中取りなど搾り方の違いは「屋守の選び方3」で解説しています)。
- 純米無調整 中取り火入れ…和梨や幸水、メロンを思わせる爽やかな香り。軽い飲み口に、しっかりとした甘さとコクがあり、やや控えめなほろ苦さですっきりと終わります。
- 純米無調整 火入…ひやおろし製法でひと夏寝かせて秋上がりした、深みのある味わい。蜂蜜のような甘い香りと、微細な発泡感があります。
- 純米無調整 中取り生(生酒)…まず口いっぱいに甘さが広がり、そのあとに心地よい酸味。ボリューム感のある、しっかりとした飲みごたえです。
屋守の純米吟醸はどんな味わい?
「純米吟醸無調整 火入れ」は、パイナップルや南国の果実を思わせる香り。甘味・酸味・旨味の調和がとれていて、最後はピリッとした刺激を残してキレます。冷やしてワイングラスで飲むと、香りがよく立ちます。
生酒の「純米吟醸無調整 生」は、華やかでフルーティーな香りと軽やかな口当たり。ほのかな甘みがあり、キレのよいクリアな後口です。
純米吟醸には、酒米「雄町」を使ったものもあります。巨峰やラズベリーを思わせる甘酸っぱい香りと、ボリュームのある味わいです。雄町については「雄町とは?」で詳しくご紹介しています。
合わせる料理と飲み方は?
- 純米(中取り火入れ)…鰤の照焼き、鯖の味噌煮、八角を効かせた煮豚。冷やしても燗でも
- 純米(火入)…鶏レバーの赤ワイン煮、ぶり大根、秋刀魚の蒲焼き。燗でも
- 純米吟醸(火入れ)…豆アジの南蛮漬け、焼き蛤、生春巻き(スイートチリソース)、カポナータ。冷やしてワイングラスで
- 純米吟醸 雄町…つくね、豚の角煮、酢豚、鯛の焼き物
純米と純米吟醸、どちらを選ぶ?
毎日の食卓で料理と合わせたい、燗でも飲みたいなら純米。香りを楽しみたい、冷やしてワイングラスで飲みたいなら純米吟醸が向いています。
違いを飲んで確かめたい方には、純米中取りと純米吟醸を720mlで1本ずつ合わせた「飲み比べセット」もご用意しています。
屋守の純米・純米吟醸の商品
純米
屋守 純米無調整 中取り火入れ
和梨やメロンを思わせる穏やかな香りと、しっかりとした甘さとコク。燗にすると旨みが伸びます。
720ml 2,090円(税込)/1800ml 3,938円(税込)
屋守 純米無調整 火入
ひと夏寝かせて秋上がりした、深みのある味わいと微細な発泡感。燗でも楽しめます。
720ml 2,013円(税込)/1800ml 3,905円(税込)
屋守 純米無調整 中取り生
白ブドウや青リンゴのようなみずみずしい香り。口いっぱいに広がる甘さと、心地よい酸味が続きます。
720ml 2,090円(税込)/1800ml 3,938円(税込)
純米吟醸
屋守 純米吟醸無調整 火入れ
爽やかで上品な香りと透明感のある口当たり。キレがよくクリアな後口です。
720ml 2,354円(税込)/1800ml 4,510円(税込)
屋守 純米吟醸無調整 生
華やかでフルーティーな香りと軽やかな口当たり。ほのかな甘みがあり、キレのよいクリアな後口です。
720ml 2,354円(税込)/1800ml 4,510円(税込)
屋守 純米吟醸 雄町 無調整
酒米「雄町」を使った、ボリュームのある味わい。火入れ後に半年ほど貯蔵しています。
720ml 2,574円(税込)/1800ml 4,950円(税込)
屋守 純米吟醸 雄町 無調整生
雄町米を使ったボリュームのある味わいに、生酒らしいフレッシュな香りと微かな発泡感。
720ml 2,574円(税込)/1800ml 4,950円(税込)
飲み比べ
屋守 飲み比べセット(純米中取り無調整・純米吟醸無調整)
純米中取り火入れと純米吟醸火入れを720mlで1本ずつ。
4,444円(税込)
よくあるご質問
Q. 純米吟醸の方が上等なお酒ですか?
A. 純米吟醸はお米をよく磨くぶん手間がかかり、価格もやや高めです。ただ、上下ではなく好みの違いです。香りを楽しむなら純米吟醸、お米の甘みやコクを楽しむなら純米が向いています。
Q. 屋守の純米吟醸は、純米大吟醸ではないのですか?
A. 精米歩合は50%なので、決まりのうえでは純米大吟醸を名乗れます。屋守では「吟醸」をすっきりした飲み口やキレのよさを表す言葉として使い、また「大吟醸」という言葉への敬意から、あえて純米吟醸としています。
Q. 燗にするならどちらですか?
A. 燗には純米が向いています。たとえば中取り火入れは、人肌くらいに温めると旨みが伸びます。純米吟醸は冷やしてお楽しみください。
Q. 精米歩合が低いほどおいしいのですか?
A. 磨くほど香りが華やかで、すっきりした味わいになりやすいとされますが、おいしさは好みによります。お米の旨みやコクをしっかり感じたい方には、純米が合うこともあります。
屋守の選び方シリーズ
- 屋守(おくのかみ)の選び方とおすすめ(全体のまとめ)
- 選び方1:生酒と火入れの違い
- 選び方2:純米と純米吟醸の違い(この記事)
- 選び方3:中取り・直汲み・おりがらみ・荒責の違い
※価格は2026年10月時点の税込価格です。ラインナップや価格は変わることがあります。季節商品のため、時期によっては在庫がない場合があります。品切れの際は、各商品ページの「再入荷お知らせ」にご登録いただくと、入荷したときにメールでお知らせします。
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